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めーたろうな日々
アクセや雑貨の手作り記録と、我が家の王子様メイタロウ(ホーランドロップイヤー♂)の日記です。
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2011年12月11日 天気は晴れ。


6時過ぎには起きてた旦那が、朝ごはんを作る音で目が覚めた。
多分、私が起きたのは7時過ぎ。
前の晩、父への怒りとあきらのことで泣いてたのとでちゃんと眠れなかったのを旦那は気がついていたようで、あえて起こさなかったんだと苦笑してた。

あきらに「おはよう」って挨拶をする。
自宅に戻ってきたからか、病院で見たときよりも、もっと穏やかな顔になってたように思う。
そりゃそうだよね。おうちだもん。嬉しくないわけないよね。

旦那が丁度いいように切ってくれたお花をあきらのお櫃に並べていく。
あきらを抱くようにちびうさもお櫃の中。
ぞうさんはちょっと大きすぎるから、お櫃のとなり。
旦那方の両親から貰ったお花があってよかったと思う。
白とピンクの優しい色合いのお花を並べると、あきらも嬉しそうだった。
足元の方には、私と旦那、二人それぞれに書いたあきらへの手紙も入れた。
動物園に行った時の写真も入れた。
最後に、旦那が書いてくれた名前のカードを胸元に添えた。

朝ごはん食べたり、着替えて身だしなみを整えたりしてたらあっという間に時間になった。


自宅の近くにある火葬場へは旦那の運転で。
車の中では、病院から帰るときも、動物園に行った時とかもかかってた、いつかの定演のデモCD。
夫婦二人のお気に入りの、オリエント急行。
お葬式にはおおよそ似つかわしくないけど、それでいいんじゃないかと思う。
車を出す時、「さぁ、いこっか。いってきますだよ、あきら」って旦那が言った。
うん、そうだね。
いつか私たちのところに帰ってくるために、今はちょっとだけお空に行くだけ、だよね。

火葬場では、胎児の火葬だった為か、朝一番初めが私たちだった。
時間より早かったのに、立会いが夫婦二人だけだと伝えたら、待たずに焼いてくれる事になった。
お焼香をして、お櫃を包んでいたバスタオルごと、焼却炉に入れてもらう。
もちろんぞうさんも一緒。
朝、ちゃんとお別れはしたから、あえて火葬場では蓋を開けずに見送った。

通された待合室で、旦那と二人きりになった。
その時になって、初めて旦那は声を出して泣いてた。
多少泣いてても許されてしまう女の私と違って、ずっと今まで我慢してたんだよね。
辛かったよね。

私は、一番窓際の席でずっと空を見上げてた。
目から涙は流れててたけど、心は穏やかだった。
多分、事前に泣いたりした時間が沢山あったからだと思う。


真っ青で雲ひとつ見えない大空。
きっと、ぬいぐるみのゾウさんの背中に乗って、チビウサに後ろから支えてもらって、あきらは空へとのぼっていったんだろう。
お空の上には、下りてくる前に一緒だった友達が沢山待ってる。
おくるみもあげたから、きっと寒くもない。
「ちょっと忘れ物しちゃったの、いってくるね」
そんな風に笑って上っていく姿がみえたような気がした。
きっと、お空ではあげたおくるみや連れて行ったチビウサ達を友達に自慢してる事だろう。
そして、パパママ大丈夫かな?って時々、私達の事を見てたりするんだと思う。


ふと、目を閉じたら、不思議な光景が見えた。
オレンジ色っぽい優しい光の中、暖かそうな家の中で家族3人、笑いあってる姿。
あきらは中学校か高校ぐらいになってて、私と旦那は少しだけ老けてて。
キッチンでごはんか何かを作ってる私に対して、何か言ってるあきらと、それ見守ってる旦那。
幸せそうな、あったかい光景。

とても不思議だけど、なんとなく、そういう光景にいつか本当に出会えるようなそんな気がした。
そういえば、今回の入院中も何度か既視感を覚えたシーンがあった。
だからって言うのも変だけど、きっと私は、この光景もいつか本当に会えるんだと信じられた。



係りの人が知らせてくれて、待合室を出る。
待っていたのは、本当にちょこっとしかない、でもちゃんと残ってくれたあきらのお骨だった。
胎児の場合は、焼いてしまうと何も残らない事もあるっていう。
だけど、あきらの場合は、「これ、頭の部分かな?」って思うような小さくて薄く丸い骨も残った。

大人のお葬式なら、皆でお箸で骨壷に入れるけれど、あきらの場合は脆すぎてできないから、係りの人がそっとまとめて入れてくれた。
片手の掌にのるぐらいの、本当に小さな骨壷。
焼くのに、たった30分ちょっとしか、かからなかった。



骨壷を抱いて、自宅に帰ったら、まだ11時前だった。
テーブルに新しいハンカチを敷いて、あきらの骨壷を置く。
貰ったキャンドル2個を灯篭みたいに横に並べた。
へその緒もそこに置いた。
うちにはお墓はないし、仏壇を置くスペースもない。
だから、しばらくはここがあきらの居場所。



休む?って旦那には訊かれたけど、あえて動き回る事を選んだ。
多分麻痺してるだけだけど、体が軽くなったのもあるし痛みもどこにもない。
何より何かしていたかったから。
もしかしたら、少しハイになってるのかもしれない。

冷蔵庫の中が空っぽだからって、いつもの大型スーパーにいった。
なんとなくそこで、コタツまで買ってるんだから世話ないよね。(苦笑)

真っ白な毛糸も一袋買った。
あきらがフードを貰ったように、私も誰かの子に何かあげる為におくるみを編むことにしたから。
優しさは連鎖する。
痛みを知った人は、その分優しくなれる。
…昔、何かの本で読んだ言葉が、なんとなく今更のように胸にすとんと下りてきた。
数は作れないかもしれないけど、1つでも作って、あの助産婦さんに預けられたらいいなって思う。

買い物が終わる頃にはすっかり疲れ果ててしまって、支えてもらわないと歩けないぐらいだった。
やっぱり、体力は落ちてるみたい。
帰って倒れてる私のかわりに、片づけやら買ったコタツのセッティングやら色々やってた旦那はさぞかし大変だっただろうと思う。
多分、こんなことしてたって知ったら、母には苦い顔されるんだろうなぁ。(苦笑)
きっと、あきらには呆れられてるんだろう。「だから、無理しないの!って言ったでしょ!」って。






これが、わたし達夫婦とあきらの、最期の思い出。

とても哀しくて、いくら泣いても涙は枯れなくて、どうして?も消えない。
だけど、あきらを見送って一晩経った今、私は自分で思ってた以上に穏やかな気持ちで。
そして、「あぁ、頑張らなきゃな」って思ってる。

あきらがこの地上に居たのは18週と4日。たったの130日間。
その間に、わたし達はあの子からたくさんのものを貰ったように思います。

30をいくつも過ぎて、それでもどこかまだ子供のままだったわたし達。
それをちょこっとでも大人にしてくれたのはあきらでした。
食べる事、眠る事、働く事、休む事、その一つ一つを改めて考える機会をくれました。
自分を大事にする事は、家族を大事にするってことにも繋がる。
私は、この先、今までより、もっともっと「生きること」に真摯になれるんじゃないかと思う。


暫くは、先生や母たちから言われたように安静にしてるべきでしょう。
だけど、なんだか今からあれこれしたくて仕方ないの。(苦笑)
そんなわけで、今朝は休み休み入院中の荷物を片付けて、沢山洗濯をしたりしてました。
お掃除はまた明日。一日1つずつ、体に無理が来ない程度に片付けたりしていきたいなって思う。


今はまだ、もう一度あきらに会う為に不妊治療を続けるかどうかは決めていません。
染色体検査の結果待ちだというのもあるし、何よりも今は私は自分の体を戻さなきゃいけない。
普通のお産より負担は小さかったとは言え、無理をすれば文字通り動けなくなるのは身を持って知ったわけだしね。(汗)
年内は療養に当てて、体力を戻して…。
そして、その後1年ぐらいは、母たちの言葉を受け入れて、まずは体作りにもう一度向かい合おうと思ってる。
結婚してから増えちゃった体重も戻したいし、お産後変わるという体質も気になる。
もっともっと体力をつけたいし、丈夫になりたい。
放射能の影響も気になる。もっと沢山わたし達はいろんなことを知らなきゃいけないんだと思う。

そして、自分たちの準備が整ったら、あきらに会いたいなと思う。
それは、私が自分のおなかに、もう一度あきらに下りてきてもらう事かもしれないし、もしかしたら、他の誰かのおなかを借りて下りてきたあきらを探すことかもしれない。
もしかしたら性別も、見た目も、もちろん名前もきっと違うけれど…
だけど、私、一番初めに「おかえり」って言いたいな。
やっと会えたねって、抱き締めたい。



私の心には、あの日以来、あきらがいます。
中学生ぐらいかな、さばさばした感じの女の子。
「おかあさん、ほら、頑張って!」
「無理しないの!」
「しょうがないな、もぅ」
そんな風に声が聞こえる気がする。
ダメな私を励まして、宥めて、導いてくれる声。
それが聞こえる限り、きっと私は頑張れると思う。


あの日みた、あきらの姿を、私はいつか忘れてしまうのだろう。
辛くて哀しくて泣く事しかできなかった日々も、産み落とす時の痛みも、きっと日が経てば薄らいでいく。
きっとそれは仕方のない事で、人はそうやって生きていく。

だけど、わたし達夫婦が、あきらを愛していた事だけは確かで。
きっといつまでだって、あきらのことを忘れることはないんだろう。

ありがとう。あきら。
たくさんのおかあさんの中から、私を選んでくれて。
親にわたし達夫婦を選んでくれて。

この次は、あなたにちゃんとした体をあげられるように、
あなたが笑ったり怒ったりする姿を見守れるように、
精一杯頑張って生きていくから、
どうか、見守っていて。

また、巡り合える日をずっと待ってるから……













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